2024年クリスマスに敗血症ガイドライン2024が公開されました。
簡単な要旨だけ、下記にまとめました。
詳細は学会ホームページから。本文もPDFでダウンロードできます。
個人的には、敗血症診療バンドルが分かりやすくコンパクトにまとまってて良いと思いました。
1. 診断と感染源コントロール
- 敗血症の診断基準として、SOFAスコアを利用(急性スコア上昇が重要)。
- qSOFAや早期警告スコアを用いたスクリーニング法を推奨。
- 抗菌薬投与前に血液や感染部位から複数の培養検体を採取。
- 診断補助としてバイオマーカー(CRP, PCT, IL-6など)を活用。
- 画像検査や迅速な感染源コントロールを推奨。
2. 抗菌薬治療
- 経験的抗菌薬は、感染認知後1時間以内ではなく「可及的早期」に開始。
- グラム染色検査や微生物診断に基づく適切な選択を推奨。
- 耐性菌を考慮した抗菌薬の選択とカルバペネムの使用指針を示す。
- 抗菌薬治療の終了はプロカルシトニンやβ-Dグルカンの測定を参考にする。
- 比較的短期間(7日以内)の治療を推奨。
3. 初期蘇生と循環作動薬
- 組織低灌流の指標として乳酸値や毛細血管再充満時間を活用。
- 初期輸液療法では調整晶質液やアルブミン製剤の使用を推奨。
- 血管収縮薬ではノルアドレナリンを第一選択薬として使用。
- 循環動態が安定した場合には制限的輸液管理を検討。
4. 急性血液浄化
- PMX-DHP(ポリミキシンB血液灌流法)の使用は推奨されない。
- 腎代替療法は早期に開始しないことを推奨。
- 循環動態が不安定な場合、持続的腎代替療法を優先。
- 血液浄化量の増加(20~25mL/kg/hr以上)は推奨されない。
5. DIC診断と治療
- 診断基準として急性期DICやSIC、overt-DIC基準を使用。
- 鑑別疾患として血栓性微小血管障害症(TMA)やHITを考慮。
- アンチトロンビンやリコンビナント・トロンボモジュリン投与を推奨。
6. 補助療法
- 免疫グロブリン投与や大量ビタミンC療法は推奨されない。
- 血糖管理目標は144~180 mg/dL。
- 解熱療法や消化管出血予防の抗潰瘍薬使用は慎重に検討。
- 低体温の患者には適切な体温管理が求められる。
7. PICS(集中治療後症候群)対策
- 予防のために早期リハビリテーションを実施。
- ICU退室後や退院後の身体・精神機能改善に向けたフォローアップを推奨。
- 神経筋電気刺激をICU-AW(筋力低下)予防として弱く推奨。
8. 家族ケア
- 患者家族への情報提供や面会制限の緩和を推奨。
- 家族のメンタルヘルス改善のためにフォローアップを導入。
- ICU日記の活用や多職種カンファレンスによる意思決定支援を提案。
9. 小児診療
- 小児敗血症における抗菌薬は感染臓器や患者背景に応じて選択。
- 初期輸液は10~20 mL/kgをボーラス投与し、輸液過剰を避ける。
- 循環作動薬としてアドレナリンやノルアドレナリンを利用。
- 小児特有の注意点として輸液や薬剤投与の安全性を重視。
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